福岡高等裁判所 昭和27年(う)3489号 判決
刑事訴訟法第一八五条は裁判によつて訴訟手続が終了する場合において、被告人に訴訟費用を負担させた裁判に対しては、本案の裁判について上訴があつたときに限り、不服を申立てることができる旨規定しているが、その律意は裁判によつて訴訟手続が終了する場合において被告人に訴訟費用の負担を命ずる裁判は本案の裁判に附随する性質を有するので該裁判に対しては、本案の裁判から独立して上訴をすることができないことを明らかにすると共に訴訟費用の裁判に対する不服申立は本案の裁判についての上訴が理由がある場合においてのみ維持判断されるが、本案の裁判についての上訴が理由がないときはこれを維持判断するものでないとすることにあるものと解するのが相当である。しかして、弁護人の前掲論旨第二点の理由のないことは既に前点に判断した通りで、なお職権を以て調査するのに、本件本案の裁判に対する控訴につき原判決を破棄すべき何等の違法もないので原判決の訴訟費用の裁判に対する所論の批難を以て控訴の理由とする論旨は採用することができない。
(後略)